AlexiA~アレクシア~
電波障害ノベルADV AlexiA~アレクシア~
しょっぱなからぶっちゃけネタバレですので、気にする方は読まないでください。
少し私の中の何かが弾けた気がしたので、忘れないうちに書き留めておきたいと思いまして・・・
この物語は上條游雅の物語です。
本編にもそう書かれています。
ただ、私はまなみも幸せでいて欲しかった。
游雅との距離をもう少し縮めてかつ居る時間を長くしていれば、母殺しを思いとどまれたかもしれない。
彼との距離が近くなるにつれて、心の拠り所がそっちにうつっていけば殺意も下がったかもしれない。
まなみの心は知る由もないが、私はこのゲームをやって久しぶりにキャラクターに感情移入しました。太田彩華さんの声も素敵ですね、キャラと声がここまではまってると感じたのは久しぶりかもしれません。
実は私も中学時代に同じように異性の自分を生み出したことがあります。
多感な頃といえば確かにそうだし、様々な過程において悩んでいく時期であったとも思います。
同じ歩みをする自分と異性の自分。恋愛ではない、友達でもない 「なにか」
ほたるの存在はそこがはまっていました。それがすべてにおいてまなみにリンクしていく様は当時の自分を強烈に思い出さずにはいられませんでした。
人は表では綺麗な言葉を並べても、裏側はどうなっているのか、話さない限りわかりませんよね。話しても隠していれば永遠にわからない。
相手を信用する、というのは自分の防壁を開放する事であって、痛みもそのまま受け入れないといけないと言うことと同義です。
この二人は障害を持っている、ということで相互互換出来る存在でした。
ただ、彼にはまなみの想いを受け止めるにまだ若かったんだと思います。まなみもそれを感じている節があります。
だから高校生になってまなみに少しでも追いつこうと思ったのかも知れませんね。
ほたるが生み出した高校生という設定ですが・・・
ほたるが全否定していたにもかかわらず、まなみはバグの様に深層意識に深く根付いており、ほたるの意思を突き破り上條游雅の前に現れます。
自殺した上條游雅の別世界を何度となく出てくるまなみから守ろうとほたるは何度も世界を改変させますが、そのたびにまなみが出てくる。
まなみの存在を消すために幼馴染で恋人という構成もやはりまなみに潰されてしまいます。
上條游雅はまなみに恋してるのであって、その想いは到底消せるものではなかったでしょう。
その想いにまなみ本人がもっと早く気が付いていれば、上條游雅への本当の恋でもって殺人を止められただろうに・・・
なんとなくは気が付いていたのでしょう。でももうどうすることも出来なかった。
バラバラにするまでに気持ちが曲がってしまっていた。
まなみの本心はあのメダルコーナーの舌打ちに全て詰まっていた感じがします。
良いお姉さんを演じている、そんな自分にも少し嫌だったのかも知れません。
気が動転していたとは言え、死体をバラバラに出来るほどに、まなみの性格も歪んでいたのでしょう。
でも、上條游雅にはまだそれをうまく伝えられなかった。障害のせいかもしれませんが・・・
髪を切って現れたときはもう、覚悟を決めていたのでしょう。
ただ、悪あがきをした。
死体を切断し、わからないようにごみに捨てていった。
これは、生きようと思った最後のあがき、だったのでしょうね。
そこに少しは上條游雅が居たのかもしれません。彼と生きる、そんな思いが少しはあったのかも知れません。
上條游雅がゲームセンターに行けなかった日、全てを話すと思っていたかもしれません。
でも、歯車が狂ってしまった。彼は来なかった。
来れば自首する。来なければ自殺する。
そんな択一を持っていたかもしれません。
運命を信じていたかもしれません。
まなみはそのまま首を吊り、自らの生涯を閉じました。
介護の疲れは確かに最近よく聞きます。社会が生み出している歪みな気がしてなりませんが・・・
認知症の発症率も上っています。老人が増えているのは確かなのですが。これも社会構図の中の一つではないかと思ったりもします。
まなみはまだ17歳、それらを受け止めるにはあまりにも若すぎました。
上條游雅と生きる未来を
スピンオフ作品が製作中らしいので、期待しています。
サブタイトルが・・・期待していいのかな・・・
原作の方ごめんなさい、勝手な想いを書きましたが、うまくまとめきれてないのもわかっているのですが、今回は想いの忘備録ということでお許しください。
自らの罪を償い、懲役刑終了後、上條游雅が一人出所を迎えに来る。
そんな物語も頭の中に湧きました。
ともかく脳みそ深く刻み込まれた作品でした。
製作者及び声優の方、素敵な作品をありがとうございました。
※追記 2021.8.7
今更ながらに設定資料集を購入、作者の意図を読んでみました。
車窓眞那彌はどうあがいても、死んでしまう未来ですね。
精神体の状態で上條游雅との決別を見届けました、とあります。
最後の涙なしでは語れぬシーンで、当人として上條游雅と邂逅し、天に召されるようです。
そうかー・・・眞那彌が生きて贖罪出来る未来は設定資料集からは見出せませんでした。
作者も最近はヤンデレシリーズがメインとなってるので、スピンオフは危ない気がしています・・・
私としては上條游雅と車窓眞那彌がともにどん底から立ち上がって現実世界へ手を取り合って挑んでいく、そんなシーンも見てみたかったのですが・・・
ディスレクシアやADHDなどは最近はかなり認知度があがり、世間でも認められてきましたが、この物語でそれらを知った人もいるかも知れません。
内容的には鬱ゲーなので、一般向けには難しいかもしれませんが、こういった障害で悩んでいる方が居る、ということを知っていく意味でもこのゲームは非常に私は好感が持てます。
少しでも多くの方がこのゲームをやってくれたらいいなぁと思います。